がん細胞株に関する米国のデータベース「CCLE」について、がん治療薬への反応を解析した結果、実際の患者のがん細胞とは反応が異なっていたと、京都大大学院などの研究グループが発表した。
CCLEは、患者から摘出したがん細胞を長期的に培養できる細胞株として登録・解析したデータベースで、世界中のがん研究に利用されている。研究グループは、CCLEに登録された1182種のがん細胞株を用い、卵巣がんや乳がんの原因とされる遺伝子の異常と治療薬への反応について検証した。
その結果、がん患者では治療薬に反応するとされる遺伝子異常が、CCLEでは逆に治療への抵抗性と関連していた。CCLE以外のデータベースを解析しても同様の結果だった。
研究グループは「データベースを用いたがん治療薬の開発には限界がある」と指摘している。
(メディカルトリビューン=時事)