優しく小刻みに10分以上 歯間ブラシ、フロスの併用で

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  • 2024年3月14日
歯ブラシの持ち方と磨き方
歯ブラシの持ち方と磨き方
宝田恭子医師
宝田恭子医師

  歯の磨き残しなどからできる細菌の塊、歯垢(しこう)は虫歯や歯周病など、あらゆる歯のトラブルを引き起こす。正しいオーラルケアの方法を、宝田歯科医院(東京都江戸川区)の宝田恭子院長に教えてもらった。

   口の中には多くの細菌が存在し、健康を保つ善玉菌もいれば、歯周病の原因となる悪玉菌もいる。食後約8時間たつと、悪玉菌が食べかすを栄養源として歯垢を形成し始める。

   「善玉菌と悪玉菌のバランスを保つのが大事。歯垢は悪玉菌の集まりですが、歯ブラシで除去できるので、正しく磨けばいつからでも挽回できます」

   歯磨きは毎食後するのが理想だが、難しければ一日一回寝る前に丁寧に行う。「夜の歯磨きは10分以上かけるように」

   歯ブラシのヘッドは小さめ、柄は真っすぐな物が使いやすい。ブラシの毛先が広がったり弾力がなくなったりすると、歯垢を十分に落とせなくなるため、1カ月を目安に交換する。歯磨き粉は重曹などに含まれる清掃成分がある物や、歯周病予防の薬用成分である殺菌剤や抗炎症剤を配合している物がお薦め。

   磨くときは、歯肉の境目に45度の角度で当てて、歯と歯肉の隙間に入れるようにする。鉛筆のように持ち、軽い力で1カ所につき20回振動させるように動かす。ごしごしと力を入れて大きく動かすと歯肉を傷つけるからだ。「一筆書きをするように順序を決めると磨き残しが少なくなります」。若年層はフロス、歯の隙間が広がり始める中高年は歯間ブラシを使うと効果が高まる。

   歯垢はほっておくと、唾液中のカルシウムやリンと反応して歯石になり、自分では除去できないため歯科医院でクリーニングが必要になる。「異常がないと思っても、3カ月に1回は健康のために歯医者に行くようにしましょう」と宝田医師は勧めている。

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