善玉コレステロール(HDL―C)が高過ぎる人は、認知症発症リスクが高まる可能性があると、オーストラリアなどの研究グループが発表した。
HDL―Cは増え過ぎたコレステロールを回収して肝臓へ戻し、動脈硬化を防ぐ働きをする。研究グループはHDL―Cの値と認知症との関係を調べるため、オーストラリアと米国で行われた臨床試験に参加した65歳以上の男女1万8668人のデータを解析した。
その結果、平均6・3年の追跡期間中に850人(4・6%)が認知症を発症した。試験開始時のHDL―Cが40~60mg/dLの人と比べ、80mg/dL以上の人では認知症発症リスクが27%高かった。また、試験開始時に75歳以上だった人は認知症リスクがより大きく、HDL―Cが40~60mg/dLの人と比べ、80mg/dL以上の人ではリスクが42%高かった。
(メディカルトリビューン=時事)