年間平均気温が高い地域に住む高齢者は、重度の視覚障害が起こりやすい可能性があると、カナダの研究グループが発表した。
研究グループは、米国で2012~17年に実施された地域社会調査のデータを解析。65歳を過ぎても生まれた州に住んでいた170万7333人を対象に、重度の視覚障害と居住地域の年間平均気温との関係を調べた。重度の視覚障害は「失明している、または眼鏡を掛けても視力に重大な問題があるか」との質問への回答に基づき判定した。
その結果、平均気温が15.5度以上の地域に居住することと重度の視覚障害に関連が認められた。また年齢や性別、収入、学歴などで分類して解析すると、ヒスパニック系高齢者を除き、全グループで平均気温の高さと重度の視覚障害に関連が見られた。
研究グループは「地球温暖化の進行で、重度の視覚障害を持つ高齢者が増える可能性がある」と指摘している。
(メディカルトリビューン=時事)