がん細胞が乳管の外側まで広がる浸潤性乳がんと早期に診断された患者の死亡リスクが1990年代以降大幅に低下したと、英国の研究グループが発表した。
研究グループは、93年1月~2015年12月に英国で早期浸潤性乳がんと診断された女性51万2447人を20年12月まで追跡し、死亡リスクの推移を検討した。
診断された時期を1993~99年、2000~04年、05~09年、10~15年に分けて検討。その結果、乳がんによる5年間の累積死亡リスクは1993~99年の診断例で14・4%、2010~15年の診断例で4・9%と、大幅な低下が見られた。がんの悪性度や年齢などを調整した解析でも、近年診断された女性ほど死亡リスクが低かった。
研究グループは「早期浸潤性乳がんの女性の予後は90年代以降に大幅に改善し、長期生存が期待できるようになった」としている。
(メディカルトリビューン=時事)