札幌市内で活動する写真家の吉田裕吏洋さん(47)が、昨年9月の胆振東部地震前に撮影した厚真町の風景写真12枚をパネルにして寄贈した。28日に町役場を訪問し、「厚真町の記録として残していただけたら」と思いを寄せた。
寄贈した写真は、吉田さんが震災が起こる前の4年ほど、春から初冬にかけて富里、東和、幌内、上厚真など町内各地区を巡り歩いて撮影したもの。地震で山腹崩壊したかつての吉野地区の山の様子も収めた。
吉田さんは「厚真は空気がきれいな町。写真を通じて、また新たに写真を撮りに人が来るような場所になれば」と話し、宮坂尚市朗町長は「次の世代に記録として残していきたいと思っていたところで、貴重なものを頂いた。長年温めていた企画の一つが実現できた」と謝辞を述べた。
寄贈を受けた写真は、こぶしの湯あつま(同町本郷)で12月2日まで展示している。
震災前の厚真の風景を撮影した写真を届けた吉田さん(左)