アイヌ民族文化財団は13日、白老町のウヨロ川と白老川の河口河川敷でサケの豊漁を祈る伝統儀式「ペッカムイノミ」を行った。
ペッカムイノミは、サケの遡上(そじょう)時期に漁の安全と豊漁を祈願するアイヌ民族の儀礼。明治以降の同化政策で長く途絶えていたが、1982年に札幌市で100年ぶりに復活した後、白老でも89年以降毎年執り行われ、昨年、同財団が旧アイヌ民族博物館から引き継ぎ今年も実施した。
トマリオルンカムイ(入り江の神)、チワシコロカムイ(河口の神)など5神を祭り、サケを供えた祭壇を河川敷に設け、民族衣装を身にまとった同財団職員らが神々に祈りをささげた。
祭主を務めた同財団の野本三治文化振興・体験交流課長(57)は「アイヌ文化を伝承していくことが私たちの使命。儀礼を通して若手職員の育成も図りたい」と話した。