五輪の最終予選

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  • 2024年8月8日
五輪の最終予選

  アイスホッケー男子日本代表のジャロッド・スカルディー監督(53)はかつての王子製紙選手だ。18年前の2006年8月中旬の暑い日に苫小牧で入団会見が開かれ、担当として取材した。カナダ人の北米プロリーグ(NHL)元センターフォワード(CF)で「ホッケーは世界共通。どこでやるのも同じ」と語った。

   青年期に捕手もこなした”二刀流”で野球に詳しく、当時の日本人大リーガー名を挙げて「あなたたちはマツイとイチローどっちが好きか」と報道陣に逆質問し、談笑を交わした記憶が残っている。

   現在率いる代表は29日から26年ミラノ・コルティナダンペッツォ冬季五輪アイスホッケー競技の最終予選に臨む。ここまで3次にわたった予選を突破して2大会ぶりの進出。開催地デンマークに加え、ノルウェー、英国と1位の座を競い、1980年米国レークプラシッド大会以来の五輪切符自力獲得を目標にする。

   苫小牧のレッドイーグルス北海道からはCF中島彰吾選手ら7人が代表入り。海外組では当地ゆかりの有力フォワード平野裕志朗選手らも加わる。来週にも東京で会見が開かれる運びで、スカルディー監督がこれまで進めたチームの準備と展望、覚悟をどう語るか―。2年後の冬の聖火を目指す最後の戦いが始まる。(谷)

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