孤独・孤立

  • ニュース, 夕刊時評
  • 2024年3月5日
孤独・孤立

  病や発作で誰にもみとられずに自宅で1人で亡くなる「孤独死」。生前に身内や近所と付き合っていれば「孤独死」、人との交流がなければ「孤立死」という分け方もあるよう。いずれにせよ一人暮らしなら何歳の人にも起こり得る。

   悩みや苦しみを抱え、自分の命を自ら断って亡くなる人もいる。いじめが原因で自死した青少年やコロナ禍で人間関係が希薄化したことでうつ状態になった中高年などで、2022年には2万1000人余りいた。

   こうした現状を踏まえ、「孤独・孤立対策推進法」が4月に施行される。孤独や孤立を「社会全体の課題」と明記し、地方自治体に対して対策を検討する官民協議会を設ける努力義務を課すものだ。さらに5月には昨年同月に先行実施された「孤独・孤立対策強化月間」が本格実施となり、さまざまな団体が孤独や孤立の対策に関する情報発信や相談事業の拡充に集中的に取り組む。

   生まれてこの方、孤独を感じたことのない人など恐らくいない。むしろ、対策への法律ができるほど多くの人が常々感じているのだ。誰が苦悩を相談しても不思議はないし、支え合うのは自然なこと。みんながそう思うことで、孤独感が社会から薄れていくことを願う。(林)

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