認知と行動

  • ニュース, 夕刊時評
  • 2024年9月4日
認知と行動

  先月8日、初めて発表された南海トラフ地震の「臨時情報(巨大地震注意)」が8月15日、異常な大地震の観測などなく終了した。しかし、研究者らにとっては「何もなかったからよし」とはならないようだ。揺れの想定される地域を対象に行った調査では、巨大地震の可能性を認知した人が8割に上ったのに対して、2割の人は「特に行動しなかった」と回答した。テレビの臨時情報の発表時の質疑で「帰省などの日常生活を送ってもかまわない―という部分が強調され過ぎた?」との反省点もあるようだ。どう発信するのか、国は事前にもう少し考えて置くべき―との厳しい指摘もあった。

   行動としては、認知のためのテレビ視聴のほか水や食料など備蓄の確認、家族との連絡方法の確認、家具の転倒防止の確認が多かった。旅行や帰省の予定変更などはわずか2・1%しかなかった。

   トラフは日本語で舟状海盆。なだらかな海底地形が一斉に動けば、東日本大震災の10倍程度の経済被害が予測されるとして動向が注目されている―はずだったのに。1日は「防災の日」。わが家は家族の高齢化も踏まえ対策を修正する必要がある。津波は「垂直避難」と家人の意見。近隣には3階以上の建物は少ない。すぐに行き詰まってしまった。(水)

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