駒大苫小牧高校が北海道勢として初めて夏の甲子園大会を制覇して、今年は20年の年に当たる。新聞やテレビにあの年の熱気の記憶を追う写真や記事が流れ、目を閉じて、懐かしさにとらわれる。
当時の担当は確か、記事や写真の紙面への割り付けをする「整理部」。大会の期間中は市内のスーパーなどの店頭に張り出す号外の制作、朝の出勤時の手渡し号外の制作も加わった。試合の現地取材や記事の制作は編集の担当。整理記者が決定的な場面に立ち会うことはなく、テレビ視聴は確認だけ。チームの躍進を喜ぶ時間などはなかった。20年後のテレビ画面に映る投手や打者の大らかな笑顔や目の鋭さに驚く自分に、驚かされた。
20年後の第106回全国高校野球選手権大会は8月7日の開幕。南北北海道大会の準決勝、決勝戦が昨日まで北広島市と旭川市で行われた。南北海道代表は札幌支部の札幌日大高。北は白樺(十勝支部)。南大会決勝で惜しくも敗退した立命館慶祥の選手名に聞き覚えがあった。父親は確か苫小牧市内の公立校から出場した甲子園球児。わが家のサッカー少年の同級生だ。現役球児は七回の好機に適時打を放ち2塁塁上で笑顔で大喜びしていた。甲子園はもう遠くない。20年前の駒大苫の活躍に改めて感謝した。(水)