マカジカと共に「鍋壊し」と呼ばれるトウベツカジカ(ケムシカジカ)が苫小牧港・東港に岸寄りしている。産卵期の秋に沖から浅場に移動してくるためで、この数週間が旬で釣期だ。でっぷりとした腹の抱卵個体を狙ってカジカファンが熱心にさおを振っている。
トウベツカジカが釣れるのは、土日・祝日に有料開放(4~10月)される一本防波堤。取材した15日は午後に43センチの良型が上がった。釣り人は恵庭市の会社員、佐藤将樹さん(38)。ブリ級の大型が出たフクラギと、婚姻色に染まった大型が期待できるアブラコを狙って来場した。
当日は東寄りの風がきつく、軽い濁りもあって青物の反応はいま一つ。ならばと、軟らかめのロッドと細いラインを使うライトタックルに持ち替え、根魚をターゲットにソフトルアーで足元を丹念に探った。
ワームは2インチの甲殻系。先端側の堤体際のボトムを小刻みに動かしていた時だった。魚信とともに重量感のある手応えを捉えてカジカを確信。慎重にたもで取り込み無事、釣り上げた。
「エギングロッドだったので重量がもろに感じられた。楽しい釣りができました」と満足そうな佐藤さん。カジカは鍋にして食べたい、と笑顔で話していた。