胆振東部地震で社務所や鳥居などが大きな被害を受けた厚真神社の復旧をお披露目するイベント「鎮守の杜(もり)マルシェ」が24、25両日、同神社で開かれた。神事の茅の輪くぐりや手水舎(ちょうずや)に花々を浮かべる「花手水」が行われたほか、屋内外にパンや野菜の出店ブースが設けられ、境内は町内外から訪れた多くの参拝者でにぎわった。
同神社の再建工事完了に合わせ、町民有志でつくる同実行委員会(宮野和美実行委員長)が企画した。屋外ではパン、コーヒーや野菜のカブ、ホウレンソウを販売。子どもには駄菓子などを用意してもてなした。社務所内では美容、整体体験や雑貨販売を行った。70代女性は「なかなか神社に来るきっかけがなかったけれど、楽しむことができてよかった」と満足そうに話した。
震災で被災した当時の神社の状況や社務所解体の様子を写真で紹介するコーナーも設け、4年前を思い返しながら、神社再建の喜びを共有した。80代の女性は「本当にあの時は大変だったけれど、こんなきれいになってうれしい」と笑顔を見せた。
イベントは当初、24日に予定していたが、低気圧による大雨の影響で急きょ25日と合わせ2日間に変更した。悪天候によりジンギスカンやスイーツのキッチンカーの出店は中止し、日程変更の周知が直前になるアクシデントもあったが、口コミやSNS(インターネット交流サイト)で情報を聞き付けた人たちが町内や遠方から続々と駆け付けた。
同神社の中村昇洋宮司(44)は「多くの皆さまのご支援があって、元通り以上の復旧がかなった。コロナ禍で境内での催しをできずにいたが、実行委の方々が最善を尽くし、にぎわいを取り戻してくれたことをうれしく思う」と謝辞を述べ、今後「皆さまの心のよりどころになるような神社運営に努めていきたい」と気持ちを新たにしていた。