1月から2月の厳寒期は、結氷した川や湖沼に穴を開けて狙う氷上ワカサギ釣りが最盛期だ。2月上旬の穏やかな午後、ガッチリと防寒対策を施して錦大沼(苫小牧市樽前)に出掛け、ワカサギ釣りにトライした。
現場に着いたのは午後1時すぎ。基本的にワカサギ釣りは朝に食いが立つが、「今季はそうとも言えない」と公園管理事務所のスタッフ。つまり今季は”いい時がない”のが実態のよう。
帰る人に声を掛けると、「さっぱり」と浮かない表情。スタッフによると、午前中に3桁を釣り上げた常連さんはいたものの、玄人は別格だ。中にはボウズの人もいたという。やはり状況は厳しい。「何とか魚を釣ってリポートにせねば」とプレッシャーをかけながら準備に取り掛かった。
持参したのはリールを装着したさお、スタンド、折り畳みいす、釣れた魚を入れる広口ボトルなど。餌は赤サシで、仕掛けは市販の1号6本針を選択した。
準備で難儀なのが餌を付ける作業。魚が小さいから針は5ミリ程度。かじかむ指でサシを針に掛けるのは結構しんどい。昨年は針が服に引っ掛かったり、指に刺さったり、氷にへばり付いたりし、時間を大いに無駄にした。サシは前と後ろにそれぞれ針をちょん掛けし、身の中央をはさみで切って半分にする。出る体液が魚を寄せる効果もある。
釣り開始。直後に一度さお先は揺れたもののその後30分、魚信がない。軽く動揺し始めた時、見かねたスタッフから「午前中は表層に群れがいた」とうれしい助言。棚を1・5メートルにして誘い続けると待望の当たりが来た。きっちり合わせて魚を針に掛け、小一時間でようやく1匹を上げた。
棚が分かれば丹念にさおを動かして誘うだけ。ポツポツと魚信が続き、2時間で14匹ほど釣ることができた。少なくても釣れればうれしい。帰宅後は空揚げにしてもらい、晩酌のあてにした。魚のうまさが寒さで縮んだ体と疲れをほぐす。
錦大沼のワカサギ釣りは氷の状況次第だが、例年だと3月上旬まで楽しめる。