コロナ禍 密避け海上へ ボート免許の取得急増

  • 釣り
  • 2021年3月4日
小型船舶が並ぶ勇払マリーナ
小型船舶が並ぶ勇払マリーナ
道内の「小型船舶操縦士免許」取得状況(2020年12月末現在)=一般財団法人日本海洋レジャー安全・振興協会提供
道内の「小型船舶操縦士免許」取得状況(2020年12月末現在)=一般財団法人日本海洋レジャー安全・振興協会提供

  コロナ禍で蜜を避けながら釣りを楽しむ釣り人の選択肢に「小型船舶操縦士免許」(通称・ボート免許)を取得する動きが出てきている。苫小牧市内で免許取得が可能な勇払マリーナによると、「密を避けるレジャーとしてボートのニーズは着実に高まっている」とのこと。免許を取得し、各地の港でレンタルボートを利用する動きも見られるようだ。

   ◇道内は昨年7月以降に急増

   小型船舶操縦士免許は、航行できる範囲やエンジン出力により「1級」「2級」「湖川」「特殊(水上オートバイ)」に分類される。市内では勇払マリーナで受講・受験が可能(一部は条件付き)だ。

   試験機関の一般財団法人日本海洋レジャー安全・振興協会によると、2020年4月の道内合格者数(各級の総計)は前年同月と比べほぼ横ばいの173人。道が独自に緊急事態措置を打ち出した5月は、外出自粛の影響などから同67人(37・5%)減の112人と落ち込んだ。

   しかし宣言解除後の6月は回復傾向となり、同13人(6・2%)減の198人に。7月は117人(58・1%)増の287人、8月は107人(57・8%)増の292人、9月には90人(56・6%)増の249人と、いずれも前年を大きく上回る傾向が続いている。

   この傾向は全国も同様で7月以降、ボート免許の取得者が急増。同協会も「コロナ禍で、密を避ける海上レジャーの需要が増えた」とみている。

   ◇感染対策で一部は受講者の制限も

   免許取得に当たっては、規定の講習を受ける必要がある。勇払マリーナは20年度、緊急事態措置を受けて4月の講習を中止。密集を避けるために5月以降、1回当たりの受講者数を最大10人に制限する対策を取っている。それでも毎回、受講希望は定員を上回って寄せられており、同マリーナが講習を実施している4~11月で前年を11人(19%)上回る69人が受講した。

   ◇2馬力ボートのニーズも上昇

   同様に、免許が不要(航行範囲等に制限あり)な2馬力ボートの需要も上がっている。フィッシュランド苫小牧店によると「昨年の夏以降、全道的に売れている」とのこと。旅行先で密を避ける選択肢として海上(湖上)が加わっているほか、秋になると釣り人が密集して混雑する海岸の「サケ釣り」を水上から楽しむ人も出てきているそうだ。

   ”ウィズコロナ”の時代を迎え、釣り人を取り巻く環境も大きく変化している。陸上も水上も、安全を最優先にルールやマナーを守って楽しみたい。

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