(8)「あおいの世界」 著・花里真希 小学校高学年向け

  • 子どものための選定図書, 特集
  • 2021年7月21日

  「なんとかなる」という言葉を聞いたら、どんな感じがしますか。エールのようだ、適当だなあ…など、さまざまな感じ方があると思います。この本にたびたび出てくるこの言葉。主人公あおいは初め、母からのこの言葉が苦手でした。

   ある経験から「普通でいたい」と願うあおいは、カナダに引っ越すことになり、たくさんの不安な出来事に直面します。今までの「普通」が通じない状況に悩むあおいと共に、私も気が付くと普通って何なんだろう?と考えていました。

   新しいことだらけの環境で、励まされながら毎日を過ごしていくあおい。少しずつ友達と心を通じ合わせ、一緒に笑って、悲しんで、頑張って「なんとかしていく」姿には、心を動かされます。

   皆さんも、何かに悩んだときやつらいときには、あおいの世界をのぞいて「なんとかなる」とつぶやいてみてください。

   (講談社 税込み1540円)

   苫小牧市立拓勇小学校 渡部奈津帆

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