先日、小学3年生の娘から「理想のお母さんってどんな人?」と聞かれた。なぜ、そんなことを聞くのだろう。動揺しつつも、思い付くままに言ってみた。
優しくて。しっかり話を聞いてくれて。いつもにこにこしていて。髪の毛もメイクもきれいで。包容力があって。働き者で―。
話すうちに悲しくなってきた。自分は、理想のお母さんにはほど遠いことを痛感してしまったからだ。
恐る恐る娘に聞いてみた。「理想のお母さんを目指した方がいいかな?」すると娘は、「無理はしない方がいい」ときっぱり。なぜか納得してしまった。
自分を擁護するわけではないが、世の中のお母さんを追い詰める一つが「母親なら○○すべき(であるべき)」という言葉だ。理想や目標は悪いことではないが、それで自分が苦しくなったり、ほかの誰かを苦しめてしまうのは避けた方がいい。大切なのは、娘の言う通り「無理はしない」という心の余裕なのだと思う。(百)