千歳市人口 初の9万8000人 まちの活性化と発展目指す

  • ニュース, 千歳・恵庭
  • 2020年7月11日

  千歳市は、住民基本台帳に基づく8日現在の人口が9万8071人となった。2018年4月に9万7000人を達成してから2年3カ月で1000人増えた計算。国内人口はもとより、全国の自治体の多くが少子高齢化で人口減が続く中、市は新千歳空港の活況などに後押しされ、着実に人口を増やしている。

   山口幸太郎市長は、人口増加を最重要課題に掲げ、人口9万7000人達成は当初計画より2年前倒しで実現。その後、新たに「人口10万人のまちづくり」を目指す考えを示している。21年度がスタート年となる市の第7期総合計画(策定中)では、計画最終年度となる30年度の人口を10万人に設定。市企画部は、9万8000人達成後も「さらなる人口増加の継続により、まちの活性化と発展を目指していく」としている。

   市の人口増加の背景には、国際線を中心に利用客が伸びている新千歳の活況をはじめとして、助成金などの優遇措置やきめ細かなサポート体制で堅調な企業誘致活動、千歳科技大の公立化、専門学校の学科新設に伴う学生数の増加など高等教育の充実がある。

   市によると、人口9万6000人から9万7000人になるまでの期間が1年11カ月。今回、1000人増えるのに2年3カ月を要し、全国的な人口減の影響は避けられない状況。市は引き続き企業誘致に力を入れていくほか、市営住宅跡地の宅地化による住まいの充実、学生増加による学園都市化、人口の10%に相当する自衛隊の体制の維持・強化、子育て世代の支援を掲げ、人口10万人都市の実現を目指していく考えだ。

   ただ、新型コロナウイルスの感染拡大は、世界経済をリーマン・ショック以来の危機に陥れたほか、観光産業の脆弱(ぜいじゃく)さを露呈。今後のまちづくりに新型コロナの影響を勘案した施策も求められそうだ。

過去30日間の紙面が閲覧可能です。