札幌開発建設部は19日、土木技術者を目指す専門学校の学生を受け入れ、管内の工事現場3カ所の現場見学会を行った。今回は千歳市内の新千歳空港と国道337号道央圏連絡道路の泉郷道路、三笠市内の新桂沢ダムでインフラ整備の様子を学生たちに公開。職員が公共工事の重要性や効果、工事の工夫を説明した。
札幌工科専門学校の全1、2年生と教員の計64人が参加。札幌開建は2015年から同校向けに見学会を実施し、今年は胆振東部地震の中止を経て2年ぶりに開催した。
このうち新千歳では拡張された駐機場と造成中の南側誘導路を見学。担当する千歳空港建設事業所の職員が駐機場のコンクリート路面を2種類にしたと紹介し、「冬はコンクリートを打てないので、工場から運び込んで工期を短縮した」と説明した。
誘導路は深さ2メートルの地盤を入れ替えた。「400トンほどある飛行機の重さに問題なく耐えられるよう設計した」と話し、航空機のエンジンが噴射する強風を和らげる防風柵も解説した。
質疑応答では空港ならではの施工の工夫を問われ、「工事は基本的に夜間に行うが、深夜便の離発着時はその都度退避したり、器材を移動させたりしている」と見えない努力を明かした。
企業委託生で測量情報科1年の西村駿さん(30)は「工事の途中だから見られる円滑な施工の工夫を学べた」と感想を話した。学生たちは泉郷道路で情報通信技術(ICT)を活用した工事法にも理解を深めた。