千歳市が防災行政無線のデジタル化を進めている。2018年度から2カ年の整備事業で、7月から屋外のスピーカーを更新中だ。放送塔の基礎工事や取り付け、試験放送を展開しており、市危機管理課は「緊急情報などをより確実にお伝えできるように整備したい」としている。
デジタル化は来年4月の運用開始を目指している。事業費約7億1400万円で、屋外放送棟のスピーカーなど関連機器を最新機器に更新する他、これまで人の声を録音して放送していたアナログ手法から、パソコンで入力した文字を音声変換して流すデジタル手法に改める。電話の問い合わせで放送内容を確認できる、自動電話案内の機能も新たに始める。
このうち屋外のスピーカーは1981、82年に取り入れたラッパ形を終了し、箱形の「スリムスピーカー」を導入する。市によると、音声が届く距離はメーカー調べで、従来と比べて約2倍を誇るという。放送塔は従来69局を10局減らして59局にする一方、みどり台など新興住宅街も計画的に手厚くする。
同課は「スピーカーが高性能になり、音声そのものも改めるので、限界はあるかもしれないが、より明瞭に聞こえるようになる」と強調。今年度事業で7月からスピーカーの更新工事などを随時行っており、「市民生活に影響が出ないよう工事しているが、試験放送などもあるのでご理解、ご協力を」と呼び掛けている。