活動5年目のごみ拾い 地球お守りチーム

  • 救護室のカルテ, 特集
  • 2024年8月16日
活動5年目のごみ拾い 地球お守りチーム

  2020年夏、突如として始まった、わが家の小さな環境グループ「地球お守りチーム」の活動も、早いもので5年目を迎えました。この活動は、毎月、海辺や川辺などでごみ拾いをするもので、当初はわが家だけで行っていましたが、ありがたいことに一緒に活動をしてくださる方々も増え、これまで延べ52回の活動を行い、累計322人が活動に参加。そしてこのうち、約6割にあたる205人もの子どもたちも参加をしてくれました。

   多くの子どもたちと活動するこのごみ拾い。特に海辺で活動する際に、子どもたちによく伝えていることがあります。それは、「この浜を自分たちがはだしで歩けるように想像しながらごみを拾おう」ということです。なぜならば、私たちは靴を履いて安全に浜を歩くことができますが、海鳥など素足で歩く生きものたちにとってそれは、どういうことなのか、考えてもらいたいからです。身を守る服も、足を守る靴もない生きものたちが、もし浜を歩いて危険なものを踏んでしまったり、足に絡まったりしないか、想像してもらいたいのです。ごみが落ちていることは、景観を損なうだけではなく、その先につながるさまざまな影響について考えるきっかけになればと思い、活動を続けています。

   先日も、ウトナイ湖野生鳥獣保護センターに釣り糸が絡まっているカモメがいると連絡がありました。幸いにして、現地ですぐに釣り糸は除去されましたが、よく見ると釣り糸には釣り針もしっかり残っていたようです。カモメの体に刺さっていなかったことが不幸中の幸いでした。この釣り糸・釣り針も、誰かがうっかり落としたのか、あるいは捨てたのかは分かりませんが、私たち人間が出すごみがこうして生きものたちの身を危険にさらす現実があることを再認識いただけたらと思います。

   ごみを拾うということは、地球環境を守るための一つの手段にすぎませんが、子どもも大人も誰もが取り組める活動です。未来を担う子どもたちに、少しでも良い環境を託せるよう、皆さんもぜひごみを拾ってみませんか。

  (ウトナイ湖野生鳥獣保護センター・山田智子獣医師)

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