投げ釣りシーズン本番 白老海岸で良型カレイ

  • 釣り
  • 2024年5月30日
クロガレイ45センチとリリースサイズのマツカワ。ダブルで針掛かり
クロガレイ45センチとリリースサイズのマツカワ。ダブルで針掛かり
休日の朝まずめ、有名ポイントはさおがズラリと並ぶ白老の海岸=5月26日
休日の朝まずめ、有名ポイントはさおがズラリと並ぶ白老の海岸=5月26日

  苫小牧や白老などの海岸は、カレイ狙いの投げ釣りが本番の季節を迎えた。ターゲットはクロガシラ(クロガレイ)、マツカワ、イシガレイ。海水温が上昇してフグの餌取りが活発になるまで、海岸の投げ釣りはカレイ一色だ。

   今季は、はしりの時期の4月から大型連休まで魚の動きが鈍かったこのエリア。30センチ前後のレギュラーサイズのクロガシラがぽつぽつ上がる程度だったが、5月後半はどうかと土曜の午後、苫小牧、白老を取材で巡った。

   市内の各ポイントの様子を見ると全体に情報は少なめ。突堤と人工護岸のある白老町のヨコスト海岸も、夕まずめというのに見渡しても釣り人は数えるほどだった。

   魚影の薄さを反映しているのかと思いながら、投げざお2本で釣り座を構えていた苫小牧市内の60代の投げ釣り愛好家に声を掛けた。愛好家は午後2時に釣りを開始し、4時すぎにクロガレイ約45センチ、その後間もなく約40センチと立て続けに良型を上げていた。

   愛好家の狙いは当初、マツカワとクロガシラだったが、2度ほどの魚信で捕食された餌はいずれも自作の塩イソメだったことから、マツカワ用のカツオはやめてイソメに一本化。直後、80メートルほど投じたさおに激しい魚信が来た。さおが派手に揺れて糸がたるんだところで合わせ、魚の重さをさおに乗せながら糸を巻き取ると、波間から現れたのは45センチのクロガレイだった。

   仕掛けは、針素に夜光ビーズのみのシンプルな自作の胴突きタイプ。大物は上針に、下針には手のひら大のマツカワが付いていたという。マツカワはすぐに針を外してリリースした。

   その後、大物を写真に収めたり、海水で魚体の砂を落としてクーラーボックスに収容する作業をしている時、もう一本のさおにも魚信。重さと手応えの強さに大物を予感しながら糸を巻き取ると、1匹目より少し小さいクロガレイだった。

   愛好家によると、この日の持ち帰りはクロガレイ2匹。ほかに招かれざるゲストでウグイが掛かった。このエリアはマツカワの実績もあるだけに期待値は高い。「海岸のカレイが良くなってきた。マツカワは次回の楽しみです」と言ってうれしそうな表情を見せた。

       ◇

   函館~えりもの太平洋海域では、漁業者がマツカワの資源回復に向けた種苗(稚魚)の放流事業を大規模に行っている。釣り人も漁業者も全長35センチ未満のマツカワはリリースが求められている(海区業業調整委員会指示)。

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