苫小牧港・東港の一本防波堤や周辺の海岸、西港内などでブリの幼魚のフクラギが釣り人を楽しませている。釣れ始めの7、8月は30センチ前後が中心だったが、9月に入って50センチ台の良型も上がりだした。
ブリは出世魚の代表格でおおむね80センチ以上あればブリ。これより小さいとハマチやイナダと呼ばれ、60センチに満たなければフクラギ。「福来」と当てる読み方もある。胆振では海水温や潮流の関係からか年々、フクラギの釣果が上がっていて、今季も室蘭港では既に70センチ級の釣果情報も。苫小牧周辺も秋にかけてサイズアップが期待できる。
実際に一本防波堤では7、8の2日間で合計23匹のフクラギの釣果があり、最大は55センチ。9月になって魚影が濃くなり、良型が上がりだした。メタルジグを使ったジギングで掛けたものがほとんどだ。
同様に西港や海岸でも釣れている。西港内なら潮通しのいい入船公園などで情報がある。ブリ級も毎年、実績がある室蘭港なら水深のある岸壁や、航路に近い防波堤の先端側で釣果が出ている。いずれも朝夕のまずめ時間帯の活性が高い。
フクラギはブリより小さい分、手軽なタックルで楽しめる。10フィート程度のルアーロッドに4000番台の汎用スピニングリールを組み合わせる。リールにはPE1~1・5号、リーダーはナイロンかフロロカーボンの20~30ポンドをつなぐ。メタルジグは28~40グラムがお勧め。フックはフロントにセットするのが望ましい。フッキング率を上げるためにリアにトレブルフックを付けるのも効果がある。
釣り方はリーリングもしゃくりも速めがいい。ワンピッチやツーピッチで縦にしゃくって巻いてを数回繰り返した後は再びルアーを落とし、またしゃくって巻いて。これを基本にしゃくりの速さや横のしゃくりに変えるなどして誘う。
活性が高い時は足元や波打ち際まで魚が数匹で追い掛けて来る。ルアーを回収するまで気は抜けない。魚信は、それなりのサイズになるといきなりリールのハンドルにブレーキがかかり、ルアーをひったくっていくような激しさがある。サイズの割に力強く、波打ち際でも粘りがあるから、一度ヒットを経験すると釣り人は魅了される。
フクラギやイナダはルアーやルアーの動きに慣れる。ヒットのパターンを見つけても単調な攻め方を続けると追わなくなる。ゲーム性の高さもこの釣りの魅力の一つだ。