「いつかきっとそのときがくるから、むりに食べさせちゃいかん」
たくまのおじいちゃんが言った言ばが心にのこりました。たくまのことを思っておうえんしているのが、ぼくのお父さんみたいで、やさしくつつみこまれるかんじがしました。
ぼくは、一さいの時に中耳炎になってしまいました。びょういんの先生に何ども耳を見てもらいましたが、ぼくからは何をされているか分からないのがこわくて、にげ出したかったです。でも、うごかないようにかんごしさんにタオルでぐるぐるまきにされて、だれも助けてくれないその時間がとても長くて命がなくなると思うくらいおそろしかったです。
それからは、家でする耳そうじもいやになって、耳を少しさわられただけで、あの気もちを思い出して息が止まりそうでした。お母さんの話では、ぼくがぐっすりねむっている時に耳をさわっただけで、手をはらわれたそうです。
それでもお父さんは、ぼくが耳そうじをする気もちになるまでずっとまってくれました。ぼくがこわくなったらやめてくれて、安心できるようにはげましてくれました。今では、こわい気もちはなくなって、耳そうじは気もちいいです。今まで何をないていたのかとわらってしまいます。
苦手なものをすきなものにするには時間と力がひつようです。ぼくは、お父さんがずっとおうえんしてくれたから、がんばりつづけることができました。
できない気もちが分からない人が「きっとできるよ」と言ってもがんばる気もちになれないけど、分かってくれる人が「大じょうぶだよ」と言ってくれたらできるまでがんばれます。ぼくは、たくまのおじいちゃんやお父さんみたいに弟や友だちのできないことをおうえんできる人になりたいです。人にたよりにされるやさしい自分にもなりたいです。
ぼくにもきっと「そのときがくるくる」
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第56回夏休み読書感想文コンクール(苫小牧市立中央図書館、市教育研究会学校図書館教育研究部会主催)の入賞者がこのほど決まった。市内小中学校29校からの応募作253作品から、最優秀作品に選ばれた4作品を紹介する。