苫小牧港・東港の有料釣り施設「一本防波堤」が、2週末続けて10目台の多魚種の釣果が出た。夏魚のアナゴが一足早く姿を見せたかと思えば冬の魚が存在感を見せるなど、釣り愛好者の注目を集めそう。
施設を運営する苫小牧港釣り文化振興協会(明村亨会長)の関係者を仰天させたのが”夏の女王”の異名を持つアナゴ(ハモ)。例年は7月に始まり、秋に最盛期になる。早い年でも6月中旬に一時的に小ぶりな個体が釣れだすくらいだ。しかもアナゴは夜行性。アナゴ釣りは夜が主だ。
それが6月2日の日中に釣れ、しかも長さが60センチとなれば最盛期のレギュラーサイズ。同タイミングで東港の別のポイントでも釣果情報があるだけに今季は始まりが早いかもしれない。
また釣り人待望のヒラメ、今季第1号が出た。サイズこそ40センチとやや小さめだが、釣期はこれからが本番だ。苫小牧周辺の海岸では従来、まれにしか釣れなかった魚種。それが昨季、一本防波堤では好調だった。ヒラメを狙った釣りをこのエリアで楽しめることを証明した。今季もハードルアーやワームで秋まで楽しめそうだ。
このほか大物ではソウハチが40センチ級を頭に18匹釣れた。ガヤの33センチも上がり、陸続きの釣り場では超の付く大物。アブラコ50、48センチ、トウベツカジカ、ソイも出て、釣り場を盛り上げた。
一方、珍しいのはコマイ。20~30センチが24匹を数えた。そもそも冬魚で近年、東西の苫小牧港ではほとんど釣れなくなっていただけに、初夏にまとまった数が釣れて関係者もびっくりという。この週末は、定番のサクラマスやクロガシラのほか予想外の魚種や良型も顔を見せて来場者を楽しませた。(写真は協会提供)